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「ナ…ナウル様!?」
扉の向こうにいたのはナウルだった。
「??誰だお前?」
「私、ロミア・ザナトア様の家臣のナウル・バキニスと申します。昨日の選考会の欠席、大変申し訳ございませんでした。」
ナウルは頭を深く下げ、王子に挨拶をする。ロミアの名を聞きちょっとだけ王子の顔が赤くなるが、深呼吸をし、いつもの顔に戻る。
「ナウルか。何用で参った。」
「はっ。ラーク様がご病気と伺い、私が自国から持って参りました薬をお届けに上がりました。」
「ナウル様…!」
ラークは神を見るかのような顔でナウルを見つめる。
「王子!ナウル様のお薬を飲めば注射をうたなくてよいのでは…?!」
「医師。うて。」
ラークの願いが王子に届くことはありませんでした。
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