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「漆黒の髪に、漆黒の瞳。俺様の血との間に産まれる子は、何色の髪と瞳を持つのか興味深いな。」
ボソッと呟いた王子の台詞に全ての王女が目を見開く。
この瞬間、ロミア同様、彼女も疎まれる存在になってしまった。
「ダルヴァン様、姫がもう一方お越しで御座います。」
家臣の1人が王子に耳打ちをし終えない内に広間のドアが音を立てて開いた。
ドアから現れたのは、海よりも深いグリーンのドレスを身に纏い、柔らかに銀髪を揺らし、少し後ろに美麗な家臣を連れたロミアだった。
その姿に王子は満足そうに頷く。
同時にダルヴァン王子に引けをとらない美しい家臣にその場にいた姫君達はほんの一瞬息を飲んだ。
「準備に手間どい遅れてしまいました。申し訳ございません。」
彼女は少し眉を下げ申し訳なさそうに微笑む。
「構わん。体の調子はどうなんだ。」
「お休みを頂いたおかげですっかり元気で御座います。」
「・・・そうか。よかったな。」
「勿体無いお言葉で御座います、王子。」
「まぁ・・・・・座るといい。」
「有難う御座います」
それから小1時間程、王子との会食は続いたが、
王女たちの質問責めに嫌気がさし王子は
「職務に戻るとしよう。姫君達のお相手は私の従者たちにさせて頂こう。」
と言い残し
イケメン従者達を大広間に放った後、にやりと笑顔をこぼし大広間を後にした。
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