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「駄目だ。」
「しかし…王子っ!」
「黙れ、ラーク。」
「……はい。」
城の内部にある大広間。国中から集められた美女達がみな着飾り、1人を見つめている。
見つめている先には、ソファーに右腕をたて寝そべる男とそれを取り囲む美女の姿。
「もっと仰げ。」
偉そうに周りの美女に命令しているのはこの国の王子様。
長身で少し筋肉質な躰、赤茶色の長髪にはだけたローブ、そして綺麗に、美しく整った顔。
切れ長の二重に鼻筋の通った鼻、薄い色の唇は形がよく、艶っぽい。
まさに美形。
「おい、女ども。貴様らじゃ役不足だ。さっさと帰れ。」
その唇からでるのは暴言。
しかしそれすらかっこよく聞こえてしまうのは、やはりあの容姿と女心をくすぐる低音の艶っぽい美声のせいだろう。
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