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「さて、」 王子の目の前には美女美女美女……。 みなどこかの国の王女、姫ばかり。そして見事に美女ばかりだ。 「私は正室に多くを求める。美しさ、しとやかさ、気品、忠誠心、愛、そして…胸。それらに当てはまらないと私が感じたときは、即刻自国に帰っていただこう。また、一夜でも私の寝所に通えた者は正室になれずとも側室として迎える。 この城では私が主だ。私に逆らった場合、それなりの処罰があることをお忘れにならないよう。」 一通り話した後、王子は王女たちを近くに呼び寄せる。 すると我先に、少しでも王子の近くに、と女達は駆け寄ってきた。 「……お前は何だ。」 ほとんどの王女がひざまづいた中、1人だけドレスの裾を持ち、ふせ目がちに歩いてくる銀髪の王女がいた。 近くまでくるとひざまづき、言った。 「ロミア・ザナトアと申します。王女たるもの正装で走るなどというはしたないことはしてはいけない、それが我が父の教えでございます。」 ふん、と王子は鼻を鳴らした。 「いい心がけだ。」 そしてにやっと微笑んだ。 同時に彼女は他の全ての王女に憎まれてしまった。
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