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「知恵ぶく…!」
知恵袋と言いかけたラークの顔面に王子の上着のポケットに入っていたタオルがぶつかる。
もちろん投げたのは王子。
「今すぐ女どものリストをもってこい。さもないとまた役立たずに降格するぞ。」
10分後リストを手に職務室に戻ってきたラークを待っていたのは、クッキーやチョコレートの乗った皿と2つのカップから香るアールグレイの紅茶だった。
「喜べ、俺様がいれた紅茶だ。」
ラークは極度甘党。そしてコーヒーが飲めない。
コーヒー好きな王子がわざわざお菓子と紅茶を用意したのだ。しかも、王子は甘いものが大の苦手。
「王子…。」
ラークが微笑むと、照れたように顔をそむける。
「き、今日はたまたま紅茶が飲みたくて、甘いものが食べたかっただけだ…。」
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