第一章 「高村 浩二」

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高村 浩二(26)は少し浮かれている。 金曜日、友人に誘われた合コンで隣に座ったOL、林 沙織と意気投合し、 趣味の映画やテニスの話で盛り上がった。 沙織は浩二より二つ年上の28だが、肌が綺麗でスリムで、 良く笑い、化粧気が無く、むしろ少し年下に見えない事もない。 浩二が好きな映画の話をすると、殆んど、沙織も大好きだと言う。 知らない映画だと「え、教えて、教えて!DVD観るから!」と、笑顔で聞く。 テニスの話は現役王者のフェデラーの話をすると、 沙織は余り知らず、テニスは学生時代の趣味なんで、サンプラスやヒンギス位なら良く知っている、と言う。 浩二「二つ違うだけで、結構、違うねー!」 沙織「ひどぉい!なに、その年上扱い!どうせ年上ですよ!」と笑顔。 浩二「沙織さんは、映画は何が好き?」 沙織「(うつ向き)寅さん、とか。」 浩二「マジで!?俺も好きだけど、チョー昭和じゃん!」 沙織「だから、暖かい話が好きなだけよー!」 と笑顔で言ったとき、 「よー!」が少し訛って、 二人顔を見合わせて、大笑い。 浩二「昭和の田舎?!」 沙織は、「ひどぉい!」と、笑い過ぎて涙を流しながら浩二の肩を、思いっきり叩く。 浩二「イッター!」
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