氷の女王

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それでも信じるものもいれば、信じないものもいて、彼女を呼び出しては告白をした。けれど、返事は全て断る始末。 保坂さんの告白の断りは100発100中。 OKの話など、聞いた事がない。 俺は何故断り続けるのか疑問を持ち、勇気を出して保坂さんに近付いて聞いてみた。 「あの、保坂…さん」 「…?…貴方…は」 窓の外をボーと眺めていた保坂さんに声を掛けた時。 「っ…」 振り向く瞬間に甘いシャンプーの香りが鼻を擽る。そのたった一瞬だけの事で俺の胸が大きく波打った。 その時、じっと俺の顔を驚いた目でみる保坂さんに俺は首を傾げる。 「え…な、何?俺の顔に何かついてる?」 「あ…違うの。…えっと、貴方…………“誰”」 ―――――誰? なんでだろう。まだ知り合ったばかりの友人や他人に言われても何も感じないのに、好きな子に言われるとかなりの大ダメージを食らう。 元々俺…目立たないから無理もない。それに保坂さんに接近したのなんか今が初めてで、声を掛けたのも初めてだ。 保坂さんがじっと俺を目を丸くさせて凝視していたのはきっと知らない奴に声を掛けられたから驚いたんだろう。
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