氷の女王

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「あ、俺…同じクラスの東 舜。……ゴメン…、いきなり声掛けて」 「同じ……、ごめんなさい。同じクラス…だったの?……一応クラスの生徒の大抵の顔と名前、覚えていたんだけど…」 「そ…そう…なんだ……はは」 俺、それ程影薄いんかな…… 「それで、私に何か?」 「対した事じゃないんだけど、聞いていいかな?」 「……答えられる範囲なら」 よかった…、これで無理って言われたらどうしたらいいかと思った。 「保坂さん…て、よく男子から告白されるよね」 「…えぇ」 「昨日も、告白されていた…よね」 「―――……よく知ってるのね」 「あー…うん、それで……いつも保坂さん、断るじゃん。………保坂さん……他に好きな人とか、いるのか?」 「………いないわ」 間をおいて彼女は答えた。 それから、俺は何も言えなかった。いないという事に安心したのか… 彼女はやはり男に興味を持たないレズなのか…… 聞きたくても聞けない。 こういう時、自分のヘタレな性格に嫌気がさす。 きっと保坂さんは嫌な思いをしたに違いない。
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