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そこには怒りを湛えた笑顔を浮かべて美奈が立っていた。
「岸田ぁ?何やってんのかなぁ?」と美奈。
「あのー…そのー…。」としどろもどろになっている直人。
「理由ないの?無いなら帰ろうかぁ。」と美奈は直人をさらに追いこむ。
「え…あ…はい…」
直人はがっくり肩を落とした。
「それじゃ、迷惑かけてごめんねぇ~」と美奈は言って教室にかえっていった。もちろん、うなだれる直人をひきつれて。
「…直人、おつ。」
沈黙を破って実は絞り出すように言った。
この後、帰るまでの間に直人に何が起きたかは京子も実も知らない。
が、京子は美奈を絶対に怒らせるまいと心に決めた。
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