頂戴な、あなたの人生

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  うわっ、と前につんのめりそうになりながら出た小さい声も すぐに掻き消される     「あかんで兄ちゃん こんなとこ立ってたらひかれるわ     ヤブ医者にも言われたやん」       だめやなー、と にこにこと目を細め笑う青年は 先程の甲高い声とは打って変わって 低い声で独特の訛った喋り方をしている     「ああ、すいません 他人様の家の前で 何度も突っ立って...」   ヤブ医者、とゆうフレーズに 一瞬固まりそうになるも 直ぐに退けますから、と言いかけた時 右手を掴まれた事に気付き 何事かと相手を見つめれば     「ああ、あんた阿呆やな 注意したいんは怪我すんでってこと   んで、そこ退けって言いにきたんちゃうねん」   と、掴んだ手を引き歩きながら話されるものだから 余計パニックになり焦る     困ったように、焦りながらまともな返事を出来ずにいると 2つ並んだ扉の前で青年はピタリと     男を見て、止まった    
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