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いきなり止まったことで
またつんのめって転びそうになるのを
青年は慌てて支えた
「そそっかしい奴やね
んで?
どこ行きたいんよ 兄ちゃんは」
苦笑いされたのに、どうとも言えない恥を感じれば
自然と男も苦笑いをし
質問の意味が分からないことを
眉を寄せてうったえる
「どこ....って
この並んだ扉の、とゆう意味?」
そう尋ねると
こくん、と一つ頷き
また笑顔を向けて男をじっと見つめ青年はそれ以上、何も言わない
「二番..め、二番目の扉」
あの医者が言った言葉を思い出すと
そこに入っても、何があるかなど知るはずもないのに
手招きをされている感じがして
そんな事を考えていたら、自然と答えが出ていた
そうすると、青年は屋敷の2番目の扉を
重たそうに押し開き
いこか、と
やはりあの笑顔で笑いながら手を引いてくれた
「3番めは、複数の視線を感じるし
1番めからは、来るなと言われている感じがして..」
「せやね、1番目に入れば
ちび共が群がってくるやろし
3番目に入れば、兄ちゃんなら間違い無く
取って喰われるやろね」
身体とかじゃなく、中身をな
と笑いながら言われたが
笑い事ではない
男は青ざめた表情しかできず
また青年に笑われた
そんな話をして屋敷の中を歩き進めば
これはまた
先程より大きな扉の前についた
手招いて 誰かが待っている、その扉
急かすように青年はノブに手をかけた
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