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「あ、あの、お店、私の勤め先から近いんです。よくお店の近く通ってて、前から気になってたんです。」
私は店長と久美の会話に割り込んだ。
「そうなの?じゃぁ、いつでも寄ってよ。」
「いや、なんか、ほら…、常連さんしか入れないような、入りづらいお店だから入る勇気がなくて…。」
「アハハッ。そう?
確かに入りづらいかぁ。黒づくめの店だしな。
でも、大丈夫だよ。
ほら、もう顔も覚えたし。
今度お店にも遊びに来て。」
「木下さ~ん。」
他の常連さんらしき人から呼ばれた店長は、
「あ、ごめんね。
また今度ゆっくり。」
そう言い残しその声のする方へ走って行った。
木下さんって言うんだぁ…。
「木下さんって言うんだね。」
久美も私と同じことを思ってたようだ。
「なんか、感じのいい人だね。」
私は無難にそう返し、他の車を見て回った。
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