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生まれてからまだ1ヶ月も経っていないであろう子猫が、黒い毛を震わせながら、少年を警戒するような目で見つめていた。
少年はやせ衰えた子猫を拾おうとするが、子猫は警戒して後ろへさがる。
少年はふと思いついたかのように、濡れたリュックを背中からおろした。リュックのチャックをあけ、中からイカのスルメを取り出した。
少年は1本とりだすと、猫へ差し出す。
子猫は匂いに惹かれて、餌にありついた。
よほどお腹をすかせていたのだろう。
少年はゆっくりと猫の頭を撫でた。
猫は一瞬ビクッと震えたが、すぐに大人しくなり、餌をむさぼり始めた。
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