四章

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僕は引き寄せられるように海堂先輩のもとに歩いていった… 「太陽君…今回は引き分けだね」 「え………?」 まさか!? 先輩が打ったのはセンター前ヒット。 僕の完敗のはず…… 「確かに俺は太陽君、君のストレートを完璧に捉えた…けど、これを見てくれ…」 と言うと、海堂先輩は自らの手とバットを見せた。 海堂先輩の手は震え、とてもバットを持てる状態ではない。 バットはまるでクレーターのように球の跡が残っていた。 「これを見て分からないか?俺は…君のストレートに力負けした…って事さ」 僕はただ、黙って聞いていた…… 「さっき言ってたよね?強くなりたいって」 海堂先輩の問いに僕はゆっくりと頷く 「太陽…君は凄い投手になる…俺が保証するよ。だから…自信を持て!」 タチバナを背負っていく人からの言葉… ……言葉にならないくらい嬉しい! 「は…はい!!」
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