レッドゾーンの向こう側

始まり

「やっぱり京都は良いとこだなぁ～」
宮崎 孝男は、就職してから初めての休日を自宅であるアパートでのんびり過ごしていた。彼は高校の修学旅行をきっかけに、京都の街を好きになっていた。
「せっかくの休日だからたのしまなきゃあ損だなぁ。って言っても何もすることが無いな…」
時計は午前九時をまわり、彼はマクド〇ルドにて朝食をとりに出かけた。
京都の朝は気持ち良い。街路樹が奏でる葉音、少し冷たい風…彼はおとぎ話の中に居る気分だった。のんびり歩いて、ようやくマクド〇ルドについた。
店内で品定をしていると、一台の車が何ともいえない音を立てながら店の前の大通りを通過した。近くにいた男二人組がこんな事を言った。
「R33かぁ…エンジンは良いんだけどな。」
「〇産自動車の失敗作じゃん。やっぱり34が一番だよ。」
孝男はR33と呼ばれる車を失敗作と呼ばれる理由がわからなかった。
朝食を終え、彼はまたのんびり歩いて自宅であるアパートに帰る事にした…
彼は翌日、車の事を熱心に語る職場の友人、高山 浩二にR33について聞いてみることにした。