大地讃歌(仮)1

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時は ゆっくり 過ぎて 人は 過ぎ行く ことこそ運命(さだめ)   今は 空虚な 箱舟の中 夢は 叶わぬ 過ちの手に   わずかな時のなかで 何を失ったのか―?   小さき 箱舟の中 10の子供は空腹に耐え 黒木 死の石榑 遥かな故郷見つめ眠る ヘリオスの輝き もう届かぬ此処で…   時は 静かに 赤く染めゆく 人は いつまで 目を背くのか   今は 虚無を 漂う命 夢は いつでも 夢から抜けぬ   宇宙(そら)に浮かぶ塵の中で 何を得ようというのか―?   薄い 霧の中 還らぬ星朽ちた都 少なき 今日の糧 明日をも知れぬ セレネの安らぎ もう届かぬ此処で   子供たちは知らない 海を 空を 大地を 草木を―…   小さき 箱舟の中 10の子供は空腹に耐え 黒木 死の石榑 遥かな故郷見つめ眠る ホライの流れ もう届かぬ此処で   いつか全てが 還る その日まで
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