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終業のベルが鳴る。 学生達が出入口へと押し寄せる。 人波を避けるため、隼はしばらく席で待っていた。 すると、数列前にも、隼と同じように席で待つ人がいた。 (…ポニーテールの人) 隼の心臓が波打った。 目が彼女の背中に吸い付く。 ふわりとした黒色のシャツに、銀色のピアスが揺れている。 今日も髪はまとめ上げられ、涼やかに垂れている。 一人で受けているのか、周りに友達がいる様子はない。 隼は知っていた。 彼女はいつも一人でいる。 理由は分からない。 でも…いつもひとりでいる。
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