錆びた鎖

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僕がいるから この鎖もあって その鎖が僕を縛っているから その鎖も錆びていく 僕が縛られているのか 鎖が縛っているのか それは解らない でも解らなくても良いと思う 僕が縛られていて 鎖が縛っている 両方違うが 両方合っている 僕が此処にいる限り 僕の歴史は僕の中に 刻まれるから 生まれてから僕の歴史は 僕がよく知っていて 僕の中に全て丸く収まっている そう考えている内に 鎖が消えた 僕の身体から鎖が取れて 自由に腕を動かせる でも動かそうとは思わない 何故ならば 慣れていたことを変えようとは 思わないから 僕は僕として生きることしか 出来ないから 僕は君として生きられないから 君が君として生きるのは当たり前だから こんな事を言わせてくれて ありがとう。
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