第十九章

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それなのに佐渡凛に話しかける人は次々にやってくる。それは凰にも当てはまる。ちなみに豹は出番以外にほとんど姿を見せず、彪はのらりくらりと交わしているようだ。 未来の生徒会候補は人気者だ。 美「ねえ、なんで佐渡凛は生徒会に入りたいの?」 何気なく口に出すとそれはそれは心外だというように顔を顰めた。 凛「生徒会に入りたいわけじゃない」 美「そうなの?」 凛「成績トップを目指してたら必然的にそうなるだけだ」 美「じゃあ生徒会長になりたいわけじゃないんだ?」 凛「面倒だからな。あいつがなるとも思えないが」 あいつって凰のことかな。確かに凰は表に出て指揮を取るようなイメージじゃないし、豹彪はやりたくないって言いそう。 美「来年にはもうみんな生徒会で忙しくなるんだもんね?」 凛「は?いや、後期からだ」 美「そうなの!?」 凛「テスト結果によるクラス変動も前期で終わりだぞ。そうしたらSクラスAクラスも確定する」 美「し、知らなかった」 そういえば今Sクラスは4人だけど、今の生徒会は2年生が3人、3年生が2人ってなんだかアンバランス。そう呟くとああ、とキッチンに立った佐渡凛がコーヒーを淹れつつ答える。 凛「Sクラスはあくまでも候補を選出する制度だからな。生徒会にならない奴もいる」 美「え、強制じゃなかったんだ?」 凛「後期から2年までがその調整期間みたいなものだ。やめたいならやめられる」 難しいな生徒会…。 まああたしは生徒会に入れないって事になってるからあまり説明されてなかったんだろうな。 美「でもそれじゃあやっぱり佐渡凛は生徒会入る気なんだね」 へらっと言うと目をそらされる。なにその認めたくないような表情。 凛「うるさい寝ろ」 美「二度目!」
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