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ザァァァ…
外はバケツをひっくり返したように雨が降り続いている。
傘を忘れてびしょ濡れだったから早く家に帰りたかったんだけど何だか帰れない理由ができた。
アレルギーの人ならわかるけど普通の人ならきっと帰るに帰れない。
「子猫だ…!」
「にゃー」
まるで漫画のようにみかんの段ボールに入った真っ黒な子猫だった。
弱った体で必死に俺に愛想を振り撒いている。
「…猫…捨てられたのか?」
こっちの言葉なんかわかるわけないのに答えるように「にゃー」と鳴く子猫が可哀想に思えた。
その黒猫をそっと抱き抱えて家に連れて帰ることにした。
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