始まりへ続く終わり

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「ゴホッ」 「これハ、魔ホウ付かサレた剣!? 馬鹿ナ、どこニこれだけノケンが!?」 少年は血を吐き出し、男の身体には至る所にひびが入る。 顔に当てられた手の隙間からはパラパラと表皮の破片か落ち、そこからは黒い毛と、血のように赤い大きな眼が見える。 その眼が剣を支えとして立ち上がる少年の姿を捉え、慌てて男は少年にトドメを刺そうとするが、突如奔った紫電がそれを阻んだ。 「クルナァァァァァァ」 「――りの―――くと氣。全て貴様にくれてやるっ」 数十㎝の光の剣を右手から発生させた少年に影の刃が奔る。だがそれが届くより速く、少年の右手が男の胸を貫く。 吐き出しそうになる血を意志の力で押さえ込みながら、声を搾り出す。 「コゾウガァァァァァァ」 「貴様の負けだ。蝿の王―――ベブゼビュート」 何かが砕ける音が響かせ男―ベブゼビュートの身体と灰色の空に大きな亀裂が走っていた。 「確カニ私ノ負ケノヨウダ。ダガ―――」 「な―――に」 「クックック、転移魔法ダ。少シ変則デ、逆召喚トデモ言ウベキカ? コノ不安定ナ状況デ使エバドウナルカ解ルダロウ?」 少年が腕を引き抜きベブゼビュートから離れようとするが、骨が砕けんばかりの力で腕を握られ阻まれる。 左手で迎撃しようとするが左手はピクリとも動かず、少年の足元に展開された魔法陣が強い光を放つ。 「何処トモ知レヌ世界デ、果テルガイイ」 「きさっ―――」 少年の意識が白い光に飲み込まれた。
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