第1話 図書室の時間

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「・・・・・・読んでみます?」 返答は意外にも良かった。 「いや、いいよ。せっかく読んでいるんだからな」 朝倉は差し出しかけた本をまた開き、読書を再開する。 「・・・・・・今日は広田・・・さんでしたっけ? 一緒じゃないんですか?」 広田がいない事に気づいていたようだ、あの時の事をちゃんと覚えていたんだな。 「ああ、あいつは風邪引いて休みなんだ」 嘘だ、あいつは今頃、教室で小学生のようなテンションで飯を食ってる。 「そう・・・・・・なんですか? お大事に、と伝えてください・・・・・・」
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