エピローグ

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 そう考えてたら、突如戸が開く音がして自然とそちらに目を向ける。  入ってきたのはお父さんにお母さん、そしてお姉ちゃんの三人だ。お父さんはいつものどっしりと構えた気迫は無く、眉を八の字にさせて眉間に皺を寄せている。お母さんは、エプロン姿でぼろぼろと涙を零して嗚咽を繰り返し、お姉ちゃんは真っ青な顔をし、ガタガタと震え目を開いている。だけど、妹の加奈(かな)はいない。多分、学校へ行っているのだろう。 「なんで……なんで……」  お母さんは眠っている私の手を掴みぼろぼろと零れる涙を更にぼろぼろと大量に零す。それを労わるようにお父さんがそっとお母さんの肩を掴み、お母さんはお父さんに体を預けた。母親の泣く姿なんて初めて見るから、それにぎょっと驚いてしまった。  おろおろとする私は皆に何か言おうとして声を上げようとした、その時だ。 ,
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