一人のトラック野郎

取引再開

タツヤは、千葉県で荷物を積み、大阪まで走るルートだった。
タツヤ「渋滞してるかなぁ・・・」
首都高速湾岸線を走行中、タツヤは電光掲示板を見た。
タツヤ「混んどんなこら」
ゴールデンウイークの初日、夜中にも関わらず、あちこちで渋滞が始まっていた。
タツヤの現在地から、大阪まで約8時間。
現在時間は夜の12時で、指定時間は朝9時。
１時間以上時間ロスをすれば、延着は免れない。
高速道路の渋滞を、どうかわすかが、問題になる。
首都高速湾岸線から東名高速に抜けるルートは、事故で通行止め。
残るルートは二つ。
一つ目は、首都高速渋谷線から東名高速に抜けるルート。こちらは、都心部、料金所での渋滞が予想される。
もう一つは、首都高速から中央道に抜けるルート。
こちらも、都心部の渋滞が予想される。
頼りになるのは、経験と勘だけである。
タツヤは、中央道に向かった。こちらの方が、渋滞が短いと読んだ。
しかし、
タツヤ「あちゃ～・・・」
予想より早く渋滞に巻き込まれてしまった。
そして30分後、ようやく車が流れ始めた。
この時、首都高速渋谷線では、都心部を抜けるだけで1時間以上掛かる大渋滞だった。
タツヤの勘は正しかった。
そして、午前8時20分、大阪に到着。
延着を免れることができ、無事にこの日の航海を終えた。