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夜
「綺麗な三日月ですね…」
ぼそっ
とギルが独り言をもらす。
『本とだっ』
隣にぴょこっと顔を出した蜜。
「!?お風呂、入ったんですか…」
『…ぼーっとし過ぎよギル
1時間もあれば入れますからっ』
蜜の笑顔に、ふっと笑う。
「少し心配事がありましてね」
『心配事?』
そこへ忍び寄る影2つ。
「そうっ ギルは狼くんが心配なんだよ」
『ふぐっ!?』
急に後ろから抱きしめられた。奇声が出てしまった。
「…離れなさいサイロン」
静かに、どこかぴりぴりしたように言うギル。
「だあって本と良い匂い
食・べ・ちゃ・い・た・い!色んな意味で」
頭に頬ずりをするサイロンに蜜はくすぐったそうに身をよじった。
「さっサイロンさ…くすぐったい!!」
蜜の反応ににやっとしたサイロンは腰に手を回した。
「弱いんだ~?」
「…」
「いい加減にしたらどうだ?ギルが殺気だってるだろう」
やはり楽しそうに笑って、レンは椅子に足を組んで座っていた。
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