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京浜東北線と並走している、山手線。
外は大雨本降り。
ドアの窓ガラスは湿気と人の吐く息で曇っている。
それを匠、何度も手で拭いクリアーにする。
匠の心の声「今日の天気予報は1日中雨。こんな日は憂鬱だ。何故かと言うと、それは窓ガラスが曇ってしまって満足に彼女の顔を見る事が出来ないからだ……」
匠、窓の外の雨空を恨めしそうに見ている。
京浜東北線の恵利までの距離は1メートル。
手が届きそうな距離である。
匠の心の声「そうだ!この曇ったガラスを利用してメッセージを送ってみよう!」
匠、京浜東北線の恵利に向かってカタカナで『キミノナハ?』と書き残す。
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