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息があがっている匠。
呼吸が乱れているのを隠すかの様に、左側のドアにへばりつく。
匠、安堵のため息をつく。
匠の心の声「ふぅー。良かった、間に合って」
電車が次の田端駅へ到着する。
すると同じホームの反対側に、京浜東北線が入って来る。
発車ベルが鳴り、ドアが閉まる。
山手線、少し遅れて京浜東北線が走り出す。ぼんやりと外の景色を眺めている、匠。
京浜東北線、山手線に追い付き並びかける。匠の目に、京浜東北線の乗客の顔がはっきりと映る。
京浜東北線は山手線と違い、満員に膨れ上がっている。
匠の心の声「向こうは大変そうだなぁ……ご苦労様」
匠、呑気に並走している、京浜東北線を眺めている。
ふと、匠の目がある一点に集中する。
匠「!」
黒髪の綺麗な純和風の女性、石川恵利(24)である。
匠「……(言葉を失う)」
匠の心の声「衝撃的だった……僕は生まれて初めて、一目惚れというものをした……」
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