落ち葉の季 ~おちばのとき~

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軽く息を吐いて、煙草を戻そうとしたときだった。 正面にいる彼女から、す、っと何かが差し出された。 見ると、火箸に挟まれた赤々と火の灯る木の枝。 彼女は可笑しそうにくすくすと笑いながら、それを俺に差し出してくれていた。 また照れ臭いな…。 恥ずかしげに礼を言いながら、煙草に火を点けた。
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