失恋(前)

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「うあぁぁぁっ!!」 この旧校舎が告白するのに丁度良いと言われた理由が解った。 私みたいにフラれた惨めな子が周りを気にせず泣き叫べるようにだ。 旧校舎内は現在、使われていない。この校舎付近も余り人が立ち寄らないからサボるには絶好の場所で、校舎の外に人がいる事はたまにあるけれど現在は昼休みだから、わざわざ此処にサボるに来る人は居ない。 だから私は校舎の中に入り適当な教室に駆け込むと、其処で何も気にする事無く号泣した。 最近の化粧品は涙に強いけれど、此処まで涙を流せば落ちてくる。真っ黒の涙が止まる事を知らない様に次々と流れる。 今の私の顔はきっと悲惨すぎる状態だろう。 だけど、そんな事に構っている暇などないほどに涙が止まらなかった。2年半の想いが無残にも砕け散ったのだから、大泣きするのは当たり前。 どれだけ朝から気合を入れたメイクが崩れようが、鼻水が垂れて来ようが、泣き過ぎて声が掠れていようが、嗚咽が混じった様な泣き声だろうが。 予想外に教室でサボっていたらしい先客がいようが、私の涙が止まる事なんて無かった
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