失恋(前)

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「あ~…その先輩を追っかけて此処に入学したんだ。でも、普通そんな事で進路決めるのはどうかと思うよ?将来に繋がる事だし」 「別にっ!此処、家からも近いし…。成績的にも、ちょうど…だったし」 自分でも馬鹿で単純だと思ってる。だけど、フラれた時の事なんて当時は考えても居なかった。 だから先輩を追うだけの為に高校を決めたんじゃない、という虚勢を張ってしまう。 「あぁ、そう。じゃあ…。その告白した相手に見る眼が無かったって事にして」 「上野先輩の事何も知らないクセに勝手な解釈しないでよっ!」 上野先輩はそりゃ、特に顔が良いとか言うわけじゃない。成績だってソコソコだったろうし、スポーツも人並みだった。 何処が良いの?って聞かれたら此処って言えるポイント的なものは無かったけど、だけど凄く優しくて私にはカッコいい先輩だった。 私の告白を断る時も、とても優しかった。 「長谷川の気持ちは凄く解るよ。俺も今、片想い中だし。だから…ゴメン。って、上野先輩は言ってくれたの!そう言ってる上野先輩も凄く辛そうで…」
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