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上野先輩は自分が告白した時に断られる事を想像したんだと思う。
今の私の様な気持ちになるって事が解ったから、だからあんなに辛そうな顔をしていたんだ。
「…でも、それって在り来りな体の良い断りモンクだと思うよ?」
「上野先輩はそんな酷い男じゃないわよ!」
「あ~!もう!ああ言えばこう言う!」
「仕方無いでしょ!フラれて速攻で相手を嫌いになんて成れないんだから!!」
「女って切り替えの早い生き物だろ!」
「私はそんな淡白な女じゃないわよ!」
殆ど初恋に近い片想いだった。
好きになったばかりの頃は上野先輩を見られるだけでも嬉しかった。上野先輩の事を何か一つでも知る事が出来た日は胸がドキドキした。
効果なんて有るかどうかも分からない恋のオマジナイとか、恋愛成就のお守りとかを試したりもした。
ずっと、ずっと片想いを続けてきた。
昨日は緊張しすぎて眠れ無かった。
バッチリといつもより時間をかけてした化粧は最高の仕上がりだった。
何度も鏡の前で変なところが無いかをチェックした。
それも今日が私にとって人生最良の日になると思っていたから出来た努力だった。
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