魔法使いのレイリー

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レイリーが死んで三年が経過した王国では、様子が違いました。 まず王様が変わったのです。 そして、街の人々も変わったのでした。 子供達はパパ、ママと呼び、両親と共に暮らしています。 大人達は逞しく、活気が出た町並みに溢れています。 ある住人がこう言いました。 「この街には魔法使いがいたんだ。 彼の言葉が浸透をし、大人を変え、子供を変え、やがて王を変えたんだ。 彼は心に魔法をかけたのさ。」 大人が大人で、子供が子供という、シンプルで一番難しい形が王国にできていたのです。 しかし王国に生きる大人達、子供達、全ての人間から、それに不満を唱える者は一人もいませんでした。 これも心に魔法をかけたレイリーの仕業なのかも知れません。
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