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「もう!風ちゃん!?目を離した隙にこつ然と居なくなったりしてっ!心配するでしょう!?」
「お姉ちゃんこそ、振り返ったら居なかったじゃないですかっ、風子悪く無いですっ」
風子はぷいっと顔を逸らしてしまった。
仲睦まじい姉妹喧嘩である……である。
「んもー……ああっ、ごめんなさい!お恥ずかしいところを……岡崎さんっ?汐ちゃん!?」
「ど、どうも…」
今の今まで気付かなかったとは、余程心配だったのだろう。
「奇遇ですね、渚ちゃんも一緒ですか?」
「えぇ、早苗さんやオッサンも居ますよ、公子さんたちも来てたんですね」
「はい、暑いですからね。あ…、祐くんが迷子案内所の方に…」
「俺が知らせに行ってきますよ」
息を切らせてまで必死に風子を捜していた公子を黙って行かせるのは気がひけたのだろう、朋也は公子に休むよう勧めた。
「大丈夫ですよ。私、知らせてきますね。風ちゃんをよろしくお願いします」
公子は案内所の方へと足早に駆けていった。
「朋也くん、今の伊吹先生でしたよね?」
公子と入れ替わりに渚が戻ってきた。
「あ…あぁ、おかえり。偶然会ったんだよ、ほら、風子もいる」
目線の先には、汐と戯れる風子の姿があった。
こうして見ると、とても…いや、言わないでおこう
「渚さん、こんにちは。水着似合っててきれいですねっ」
「あっ、ありがとうございまひゅ!風ちゃんも可愛いですっ!」
渚は盛大にかんだ。
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