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「うおー、涼しい。ほら、汐もおいで」
「うん」
荷物を置いた朋也たちは早速海に入った。
渚は早苗たちが戻ってくるのを待ってるらしい。
「つめたいっ」
「ははは、最初だけだって。慣れれば平気だぞ」
波が足元に押し寄せる度に少し後退する汐の姿は、見ていて和む。
「朋也くーんっ!しおちゃーんっ!」
早苗たちが戻ってきたらしく、渚が見覚えのあるものを片手に駆けてきた。
「それ…去年買った…」
「はいっ、だんごビーチボールですっ」
「だんごー」
渚が持ってきたのは、去年プールに出かけた際、プールの近所のおもちゃ屋になぜか売られていた、だんご大家族のビーチボールだった。
「朋也くん酷いですっ、海に行くならこの子連れていくの忘たらダメですっ」
「すまん…すっかり存在を忘れていた…」
パラソルの下、早苗は笑顔で荷物番を引き受けていた。
朋也にしてみれば非常に申し訳ないことだったが、どうやら早苗は最初からそのつもりだったらしく、水着は持ってきてないという。
秋生はというと、一向に売れないパンを……
あ、今一個売れたな…
その後も、昼食までの時間を家族でたっぷり満喫していった――。
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