海に出かけよう

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「だから、汐が戻ってきたら、ママと一緒に汐の手を繋いで、そして…放さない」 まるで、今がその時だとでも言うように。 今触れていることが、どれだけ幸せで、どれだけ愛おしいことかを伝えるように。 「はい。私も、放しません」 あの時と同じ強き母が、ここにはいた。 一度は朋也の手から離れたその細く綺麗な手もまた、今度はしっかりと握る。 「だから、その時は…」
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