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「お前ら、海行くぞ」
休日。
朋也たちは、いつものように古河家で夕飯をご馳走になり、ゆったりとくつろいでいた。
その最中、オッサンこと古河家当主・古河秋生は唐突に、パン屋から漁師に転職すると宣言してきた。
やっぱりパン屋じゃ食べていけないのか
「ちげーよ!この俺様がパン屋をやめるわけないだろうが!!泳ぎに行こうってんだよっ」
朋也の独り言は聞こえてしまったようだ。
「しおもうみいきたい!」
「良いですね!みんなで行きましょう!」
早苗は既に口裏をあわせていたのか、ここぞとばかりに推してくる。汐も行きたがっているようだった。
「朋也くん、お仕事平気そうですか?」
「仕事は大丈夫だよ、後々体に響きそうだけどな…」
渚は気を遣っているものの、彼女もまた、海に行くのが楽しみの様子。
「よし、お前ら、当日までに用意しておけよ!」
一眼レフを取り出し、せっせとレンズを磨くその姿は、いつぞやの光景に見えなくもない。
そう、誰よりも秋生が一番海に行きたそうなのである…。
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