新人教育校

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      △▼△ Rainにとって、ここは夢のような──実際眠っているのだが──まさにそんな言葉のピッタリな場所だった。 体が軽く、眼鏡がなくてもよく見える。 運動も、現実の自分より出来るだろう。 その他も含め、彼女の苦手の多くが解消されるような場所だった。 「始めまして、新入生殿」 不意に声を掛けられる。 恐らく男性のもの、Rainは声のした方へ振り返った。 そこには、金髪の体格のいい男性が立っていた。 「申し遅れました、私は新人を、つまりゲーム初心者の方に知識を与えるために産み出されたNPCのカインと申します。」 カインがお辞儀をしたので、つられてRainもお辞儀をしかえした。 「これよりチュートリアルに入りますが、その前に何か聞きたいことはございますか?」 笑顔でふと思い付いたように言った。 Rainは少し考えたあと、 「NPCってなんですか?」 初心者らしい、一言だ。 RLW以外も含めて全てのゲーム初心者と言う意味でだが・・・ それを聞いたカインの目は、今までに無いほど輝いていた。
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