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待ち人
午後4時、某空港にて。
「早えな…もうこんな時間か」
「あっという間だったね」
オイラとハオは空港内にあるカフェ「豆」でお茶をしている。
本当は早朝の飛行機だったけれど、ハオが手配してくれて午後の飛行機になった。
昨日のあの後、─
「僕ね、アメリカには行くけれど、父さんの会社を継ごうとは思っていないんだ」
「え?じゃあ…」
「学校の先生になりたいと思ってね」
「先生…!?」
「…そんなに驚かなくても(苦笑」
「だって、ハオが先生なんて…想像出来ないんよ」
「酷いなあ。僕だって、少しは教えることに自信はあるよ?それに、今回は親の言いなりでアメリカに行くんじゃ無いし」
「そうか。まあ確かに人に教えることが上手いことは認める」
「だから、高校3年間を留学生としてアメリカで。大学は日本の大学に進学したいと思う」
「じゃあ、3年間は会えねえんだな…」
「でも休みの日には帰って来るから」
「…おう」
「寂しい?」
「な…!?//」
「…ふふっ」
「わ、笑うなーっ!///」
「ごめん、ははっ。可愛いなあと思ってね」
「畜生…//」
「葉、」
「ん…?」
「僕が帰って来るまで、それまで待っていてくれるかい?」
「……当たり前だろ!」
(オイラもハオが好きなんだから)
ハオが決めたことだから、オイラは素直に応援することにする。
頑張って欲しいんよ。
心の底からそう思う。
「葉?そろそろ行くよ」
「ああ」
新たな一歩を踏み出そうとしている君へ。
精一杯の笑顔を。
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