このまま、このまま

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朝から葉は教室に居ない。 アンナらしき人を見掛けたから、2人で屋上にでもさぼりに行っていると思った。 昼休みになった今、少し探してみようと思い階段を上がる。 案の定、話し声が聞こえてきた。ていうか、本当は屋上は立ち入り禁止なんだけどねι 入ろうと思ったらどうやら僕の話しをしているらしく、思わず扉の前で立ち止まる。 いけないと分かっていても耳を傾けてしまうものだ。 「…正直、今は彼奴と…ハオと一緒に居るのは辛いんよ」 「…そうね」 辛い その一言がこだまする。 側に居ても良いと言ってくれたから僕は安心していた。それが葉にとって辛かった。 そういう事? 僕はそのまま階段を降りる。やはり取り巻きの一件は葉の心に深い傷を付けた。 あの笑顔の中には辛さに耐えている葉がいたんだ。 アンナも涙声だった。 皆、僕のせいで辛い思いをさせている。 このままじゃいけない。 僕はある決意をした。 .
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