81人が本棚に入れています
本棚に追加
すれ違い
………ハオ？
どこ行くんよ。
真っ暗で何も見えなかった視界に、くっきりとハオの姿だけ見える。
ハオ、ハオ…！
オイラを置いてどこに行こうとしてるんよ！！
「……っ！！夢…か」
それは奇妙な今朝の夢。変な汗が背中を伝う。
まだ何時も起きる時間より３０分程早かったが、オイラは下の階でぼーっとしてた。
何故、夢にハオが出てきたのだろうか。
本当なら嬉しい筈。なのに素直に喜べないような夢で…。
ハオは暗い暗い闇の中にいた。ただ１人で。
最後に振り向いた時の彼奴の顔が今でも脳裏に焼き付いている。
朝からオイラは嫌な予感がしていた。
その 予感 は珍しく当たることになる。
「僕…アメリカへ行くんだ」
.
最初のコメントを投稿しよう！