黒い空にある灯

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「もう7時か…」 時間がたつのは早い。 楽しかった3時間は3分くらいにしか感じない。 テレビの中で良く聞く台詞だけど、本当にそう思った。 「そろそろ帰るか!」 「そうだね…」 「星、綺麗だったろ?」 「ああ。こんなにも感動したのは初めてだ」 「へへっ!そいつは良かった」 「…葉、また明日も一緒に来て良いかな?」 「…ああ、勿論だ!」 彼女は少し驚いた様子だった。でも何時もの屈託の無い笑顔で返事をくれた。 危ないよ、僕。 人は何時か必ず裏切る生き物なのに、何故か彼女には心を許してしまっている… でも心の隅で、もし彼女が僕のつまらい人生を変える鍵なら、と意味の無い期待をしているのかも。 .
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