放課後の約束

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放課後の約束

「ハオ!!」 突然呼び止められ振り返ると葉と恐山さんがいた。 「おはよう、葉…と、恐山さん」 「おはよう!!今日は学校終わったらダッシュで行くからな!」 「ダッシュ?何でそんな…ι」 「だって沢山話せた方が楽しいだろ?お前がそうじゃなくても、オイラは楽しい!」 キラキラした瞳で僕との会話が「楽しい」と話してくれた。 全く、彼女には驚くばかりだ。僕の周りにいる子は皆、容姿目当てだ。 葉も本当はそうで、嘘をついているかも…と思った事はあるが、この目に嘘は無いだろう。嘘だったら名女優だ。 「ははっ…僕も昨日は楽しかったよ。そうだね、早く行って沢山話そう」 「おう!!」 ほら、またキラキラしてる。嘘じゃないのなんて直ぐ分かる。 「ちょっと…あんた達。昨日あたしが居ない間に何があったの?怪しいわ」 「怪しいなんてιオイラとハオは友達になったんよ」 「ふーん…友達、ね」 彼女、恐山 アンナは僕等の友達という関係が不服らしい。 「何か問題でも?」 「…いいえ。友達関係で止まる事を祈るわ」 「何言ってるんよ?」 「さあね。ほら、早く行くわよ」 「あ、ちょっ!ハオ、また後でな!!」 「うん」 彼女は何時も警戒心が強く、中々人を寄せ付けない。 僕を受け入れてもらうのにも時間がかかりそうだ。 葉の親友だから僕だって友達になりたい。 葉が関わっている事、全てに関わっていたい。 そんな事まで考えるようになった。重症だ。 別に恋愛感情を持ったのでは無く、葉という存在に興味を持った。 「早く放課後にならないかな…」 また心の声がでてしまった。でも小声で外だったため、周りは気付いていない。 また古文の授業の時みたいに注目を浴びるのは御免だ。気を付けてなければ… それからの授業は身に入る訳も無く、只ぼーっと空を見ていた。 .
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