第一章

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久しぶりに聞く雪菜の声だったの そりゃね メールは毎日してるよ 今日は何処の歌番組に出るとか教えてくれて ブラウン管を通して雪菜に逢っていたけど… 雪菜がいるってことは『ドナ』だ! 私は携帯を切ってお店まで走っていたの 雪菜とは中学の時からの親友なんだ! 津「早いねぇ~そんな雪菜に逢いたかったんだぁ」 光「当たり前でしょっ」 私は雪菜を抱きしめていたの あまりにも逢えないもんだから 雪菜はいないんじゃないかって思えてくるんだるね いるのは当たり前なんだけどさ みんなの雪菜じゃなくって私だけの雪菜に逢いたいってことだよ 光「どうしたの?」 津「番組に出てくれないかって。どうする?」 番組に出るってことは… 私は考えていたの いつかこんな日が来るよねぇ なんて笑っていたけど 光「無理っ」 雪「どうして?」 津「やっぱりなぁ」 雪「やっぱりって?」 何故か津希が私の無理な理由を話していたの なんであんたが語るのよっ 雪「緊張は私もするよ」 光「そうだけど…」 緊張じゃないんだよなぁ 私には敵が沢山いるんだよ それなのにテレビに出ちゃったら逆撫でしそうで それが怖かったんだよ
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