01.歯車

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──辺りは暗闇に支配され、満月だけが輝く夜 「ハハッハー!!」 その男は、全身を真っ黒なコートで身に纏い、拳銃を両手に持ちながら、暗い廃ビルの廊下を駆け抜けていく── 「おいおい、マジかよ、よりによって“奴”が来るなんて…」 「なんだっ…!!あいつは!!」 それに追いかけられる4人の黒いスーツの男達 ──バンッ!! 廊下にこだまする銃声 「…っ!!」 焦げ臭い硝煙の臭い、辺りに飛び散る血 「…あっ!!」 それを見た一人の男が立ち止まろとするが 「おい、気にするな新入り!!」 「…くっ」 その一言で、“三人”のスーツの男達は仲間の犠牲にも振り向かず、階段を駆け降りる 「あぁ、ちょろちょろ逃げて面倒だな」 黒いコートの男は余裕を漂わせながら階段をゆっくり降り始める その途中、手すりの隙間から一人の男に狙いを定め── 「とりあえずこの暗闇は不利だ、夜だがまだ光がある外に━…」 バンッ!! ──撃つ 喋りかけてた男は肩を上から貫かれ、勢いを残したまま階段から転げ落ち、曲がり角にぶつかった。 「オイッ!大丈夫か!!」 「立ち止まるな!!新入り!!」 「…くっ、なんとか奴を足止めしてやる。だから…テメェ等走れ!!」 転げた男は地面を這いずりながらも、仲間達にそう言い放つ。 逃げるは残り2人 拳銃を持った男は余裕な顔をしながらも、ゆっくりと階段を降りてくる 「…まさかお前みたいな奴に殺られるとはな」 「ハハッ…光栄だろ?」 地面に這いつくばる男は痛みに堪えながら、おもむろに懐から銃を取り出し自らを撃った男に銃口を向けた 「光栄なんて…まさかの冗談だろ?」 その瞬間、銃声は響き渡った。
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