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──辺りは暗闇に支配され、満月だけが輝く夜
「ハハッハー!!」
その男は、全身を真っ黒なコートで身に纏い、拳銃を両手に持ちながら、暗い廃ビルの廊下を駆け抜けていく──
「おいおい、マジかよ、よりによって“奴”が来るなんて…」
「なんだっ…!!あいつは!!」
それに追いかけられる4人の黒いスーツの男達
──バンッ!!
廊下にこだまする銃声
「…っ!!」
焦げ臭い硝煙の臭い、辺りに飛び散る血
「…あっ!!」
それを見た一人の男が立ち止まろとするが
「おい、気にするな新入り!!」
「…くっ」
その一言で、“三人”のスーツの男達は仲間の犠牲にも振り向かず、階段を駆け降りる
「あぁ、ちょろちょろ逃げて面倒だな」
黒いコートの男は余裕を漂わせながら階段をゆっくり降り始める
その途中、手すりの隙間から一人の男に狙いを定め──
「とりあえずこの暗闇は不利だ、夜だがまだ光がある外に━…」
バンッ!!
──撃つ
喋りかけてた男は肩を上から貫かれ、勢いを残したまま階段から転げ落ち、曲がり角にぶつかった。
「オイッ!大丈夫か!!」
「立ち止まるな!!新入り!!」
「…くっ、なんとか奴を足止めしてやる。だから…テメェ等走れ!!」
転げた男は地面を這いずりながらも、仲間達にそう言い放つ。
逃げるは残り2人
拳銃を持った男は余裕な顔をしながらも、ゆっくりと階段を降りてくる
「…まさかお前みたいな奴に殺られるとはな」
「ハハッ…光栄だろ?」
地面に這いつくばる男は痛みに堪えながら、おもむろに懐から銃を取り出し自らを撃った男に銃口を向けた
「光栄なんて…まさかの冗談だろ?」
その瞬間、銃声は響き渡った。
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