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「…ハァ…ハァ」
残り二人は今、出口から出てきた所だ。
一人は少し落ち着きを取り戻し、もう一人は息が切れ肩で呼吸をしている。
「アイツ…上手くやったのか?」
「本当に…なんなんすっか!あの男は!」
街の裏通りの街灯に照らされながら息を整え、膝に手を着く男はやけくそ混じりの台詞を吐いた。
その言葉を聞き、息が落ち着いた男は改まった顔をして口を開いた
「お前だって、この世界にいりゃ聞いた事があるはずだ」
「…?」
全然分からない
そんな顔をする男
「目の見えない殺し屋の話を」
「まさか!!しかし、奴は…」
「あれが、多分そうだ…暗闇でも俺達を狙えた所を見ると、な」
奴が一体なんなのか、それがわかった瞬間、確認する様に男は尋ねた
「それって…確か…見えてないはずのターゲットを殺す手口から、奴の通り名は…」
「そうだ、奴の名は――」
「マインスイーパースナイプ」
──バリン
二階からガラスをブチ破る音がする
「お待たせ、愛しのターゲット」
──バンッ!!
そう言いながら降ってくる男は、空中から一発の銃弾を放つ
「生きてやがった…!!走れー!!」
「はいっ!!」
走り出そうとする二人組だが
「もう遅い」
虚しくも空中から放たれた銃弾は一人の男の胸を背後から貫き、男はその場で倒れてしまった
「…ぐっ!!お前だけでも逃げろ!!新入り」
「できません!!」
その瞬間若い男は見捨てまいと、立ち止まり、懐にあった銃をコートの男に向けた。
「うーん困ったな…ターゲットは3人なのに、お前はリストに載っていない」
コートの男は、そういうと白い瞳を見開き、若い男を睨みつける
「…!!目が見えない癖に何を言う!!」
「ハハッ、俺様を舐めんな!!
…お前からは血の臭いも、ターゲットの臭いも、これぇーぽっちもしない。」
そう言って、ちゃかす様な笑顔をしながら鼻で笑い飛ばす
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