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ビルの一部屋一部屋をこっそりと移動するシャンク達。
「ちょっと、止まれ」
シャンクは、神経集中し、全ての感覚を研ぎ澄ます。
「外の奴等は思ったよりすごい数だな…それに火薬の臭いが今まで嗅いだことのないくらいの濃さだ」
シャンクは腕をくみ、脱出経路を見つける為に神経を研ぎ澄ます
(12階建ての建物、所々壊れた階段、風の流れ、温度、etc…うーん…)
「私とあなたを一気に消す気ね」
そのシャンクの思考を、停止させるかの様なエマの言葉
「なんでだ?」
「貴方は私を守る為に生まれたの、どちらも一気に消した方がお得でしょ?」
「バカ言ってんじゃねぇ!!まだこっちは信じてねぇんだからな!!」
二人は数分押し問答の末、とりあえず今は和解し脱出経路探索を優先する事にした。
それは、屋上へ向かう為に一つ上の階に上がった時だった
「ん…?寒気がする!」
「それがどうした」
緊張感の無い、マヌケ面でエマの方を向くシャンク
「…とうとう、目覚めてしまったみたいね」
「何?」
「奴等の大将が、ね」
ドォォォン!!
建物全体に豪快な爆発音が響き渡る。
――ビル一階
そこには、銃で武装し、マスクとトランシーバーを装着する全身黒ずくめの男達がいた
「こちら突入部隊、ホテルの入口の爆破に成功。これより作戦を開始し、少数精鋭部隊で突入する。作戦は2方向から進行、そして殲滅。俺達A班はフロアーの真ん中を張る、C班は右階段を上がれ、後は左だ。鼠をあぶり出せ!」
男達は、それぞれの目的の進路に向かって進行する。
六階――
「オイオイ俺は舐められてるのか?少人数で、か。話が丸聞こえだぞ…けど、さっきの爆発で多少耳の感覚がやられてる。おい、奴等が何人か分かるか?」
銃を2丁持ち、シャンクは戦闘体制に入る。
「まとめて30人くらいかな」
「ほう、なら大丈夫か」
「それより、一番の問題は下から来てる奴等よ」
「…下から?奴ら全員下からだろ」
首をかしげるシャンク
「違う、もっと下!地面て事よ」
そう言ってエマは地面を指した。
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