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「緑、いい加減髪ぐちゃぐちゃなんですけど…」
綾はグシャグシャにされた髪を押さえながら身体を起こした。
「あははっ、ゴメンゴメン。やり過ぎたか」
綾の髪を直しながら緑は声を上げて笑った。
そんな緑を見てプーッと頬を膨らませ、
「さりげなく酷いこと言ったでしょ!暴れ牛って…
でも、強く否定は出来ないから余計に腹立つ…」
と、悔しそうに剥れている。
「ゴメン、ゴメン、綾。冗談だよ。これ、あげるから機嫌治してね。」
ポケットからキャンディを出すと、綾の手に乗せた。
「あっ、ブルーベリー味だ!これ大好き~!」
ガサガサと包みを開け、口に放り込んだ。口の中一杯に広がる甘酸っぱい香りに、すっかりご機嫌になった綾の顔を嬉しそうに眺めた。
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