ライスシャワー物語

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しかしこのレースでライスシャワーに最後の悲劇が襲う。最終コーナー手前先行抜け出しを仕掛け道中先頭集団に並びかけようと進出し始めたその時であった。 ライスシャワーの黒い小柄な身体が大きく崩れ落ち一瞬にしてターフにその馬体が倒れ込んだ。 ライスシャワー、レース中での故障発症。 しかも自力で立ち上がれない程の重傷でライスシャワーはその激痛にターフ上でもがき続けていた。 そのライスシャワーに獣医が下した診断結果は一秒でも早くこの苦しみからライスシャワーを解放してあげる事。手の施しようの無い程の重傷だった。 競馬史上稀に見る処置だった。何と京都競馬場ターフ上での安楽死 ライスシャワー 京都競馬場のターフ上にて永眠 偶然にもこの年の宝塚記念は京都競馬場で行われた。 ライスシャワーが輝きを放った菊花賞と二度の天皇賞(春) 淀のターフで咲き輝いた名馬ライスシャワーは淀のターフ上で散った。 淀のターフに愛された誇り高き希代の黒きリトルステイヤーをファンと淀のターフは決して忘れる事は無いであろう。 ~ライスシャワー物語・完~
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