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(ん?なんだろう?)
《ネェ……イラッシャイョ……》
沈黙のまま、よくよく聞くと、背後に流れる音は……。
[お経]にしか聞こえない。
いや、間違いなくお経だったのだ。
(……お迎えが来た……)
母は本気でそう思ったそうだ。
そのうち、背景に流れるお経はクライマックスを迎えるのか、鐘がカーン、カーン、と響き、だんだん大きな音で聞こえはじめた。
《ネェ、キコエル……?ハジマッテルノヨ……ハヤク……》
(ジタバタしても始まらない。人間、こんな時こそ凜としなければ!)
母は覚悟を決めたらしい。
(早っ💦)
「あ、あのぉ……」
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