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あれから5分…。
そしてここは裕輝の通う高校の校門前。
さて、遅刻寸前の当人はというと、
「……も、もう少しだ…」
かなり息が上がっていた。
しかも中腰でかなりへばっている。
しかし
遅刻は…遅刻だけは…!!
祥姉に殺される…!!
自身への強い危機感からかは知らないが、かなり思考が子供染みていた。
そしてすぐに走りだそうとする
――――が。
「―――痛ぁっ!!?」
すぐに目の前の石につまずき、コケた。
それも顔から、モロに。
「…いってぇ…!!くそっ!誰だよ、こんなところに石置いたヤツは!?」
誰が置いた訳でもない石に、裕輝は怒りをぶつける。
…しかしあえて言うなら、
それは単なる『当て付け』だ。
「……………」
裕輝もあまりの惨めさに気付き、
「…ったく!」
と一言で、怒りに歯止めをかけた。
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